「原因わからねェんだから、下手に動かすなよ」
近藤さんの一言に丸め込まれて、俺はおとなしくトッシーと同室。
まったく、他人事だと思って適当にあしらいやがって。
トッシーはというと、さも楽しそうに俺の布団の上で騒いでやがる。
まったく、この状況が飲み込めてねェのかよ。
「なぁ…」
「ん?v」
「お前、名前は?」
「土方十四郎ナリv」
あぁぁ…
何で?
「土方氏ィ、一緒に寝るナリ」
い、嫌だ…
何が悲しくて、自分のツラ至近距離で眺めてなきゃならねェんだ。
「イイよ…おまえがその布団使え」
「えー」
この、独特のキラキラした視線。
ガキが親にモノ頼むときみてェな。
俺、コレ苦手だわ。
おかしい…
コレ、絶対おかしいって。
「♪」
まるで俺はトッシーの抱き枕状態。
狭い布団に、大人の男2人がひしめき合ってる。
しかも、べったりくっついて!
「土方氏?」
「んァ…」
「拙者は土方氏のクローンで、でも自我を持ってしまった」
「?」
「でも、土方氏オリジナルの存在には勝てない」
「??」
何言い出すんだ?
「拙者にとって土方氏は、いつしか最大の敵になって…」
「暗殺さえ企てる」
?!
怖!!
なに?
俺、コイツに殺されんの?!
やめてくれよォォ!!!
「ちょ、お前落ち着けよ!」
「でも、プライドを折ってやろうとしたはずのその行為に、拙者は後悔する」
「は?」
「土方氏を愛してしまったから…」
ひえーーーーー!!!!
「テメ、ちょ…考え直せ!!」
幼稚な性格とはいえ、俺は俺。
持ってる腕力も、まったく俺と同じもの。
さっきまでのガキっぽい仕草からは想像もできねェ。
やたらとツボをついてくる。
本気なのか?
本気で、俺とそういう行為に及ぼうとしてるのか?
俺自身だからなのか…
俺の感じるトコなんて知り尽くしてるみてェだ。
「土方氏…」
首筋を舌先で舐められて、一気に体は発情しにかかる。
その舌が胸元まで降り、既にビンビンな乳首に当たる。
その期待に答えるような舌使いに、腰の奥で眠ってた精子が覚醒しやがった。
外に出てェと暴れまわる。
「んァ…やめろ…ッ」
思わず浮きそうな腰を、必至で食い止める。
何なんだよ、コイツの舌!
何か別の生き物なんじゃねェか?!
俺の乳首を、俺が一番好きな具合で弄繰り回す。
「でも、勃ってるナリ…」
「あァ…っ?!」
いきなり股間握り込まれて、妙な声出しちまった。
「ぅわ!!!!!」
更には、とんでもねェトコに…
「土方氏、ココは初めてナリか?」
アホか!
恥ずかしいこと真顔で聞くんじゃねェ!
いや、真顔じゃなくてもダメだ!!
第一、そんなトコ使用済みであってたまるか!!
「何する気だァ!」
「拙者、さっき言ったナリ」
「?」
「土方氏を愛してしまった…って」
「?!!!」
嘘だろ…
「嘘じゃないナリ」
「?!!」
「これから何されるかわかってるし、ちょっと期待してるでしょ?」
「ぇ…ァ…」
「わかるナリよ…ヘタレ攻めや下克上設定の受けキャラって、やたら抵抗するものナリ」
「…は?」
「口では大きなコト言ってても…」
ふとトッシーの瞳孔が窄まる。
俺に狙いを定めたように、その視線が突き刺さる。
「結局、一番可愛いネコになるナリ」